キャンプ、正確には『スプリング・トレーニング・キャンプ』ですが、このレギュラーシーズンを前にした春季合同練習はいつから始まったのでしょうか。
事始は1870年、シカゴ・ホワイト・ストッキングス(現ホワイトソックス)とシンシナチ・レッド・ストキングス(現レッズ)がルイジアナ州ニューオーリンズで行ったのが始まりといいます。
キャンプ後のシーズンで両チームが抜群の強さを発揮したので、他のチームもお手本にしました。
日本のプロ野球の最初のキャンプは、1934年に、翌年に来日する大リーグ戦抜チームに備えて行われました。
沢村栄治、水原茂、三原脩らで全日本チームを編成、10月15日に千葉県習志野市の谷津遊園内の谷津球場で合同練習をしたのがそれです。
春ではなく、秋にキャンプというのが急ごしらえチームなのが分かりますが、このチームが12月にプロの『大日本東京野球倶楽部』になり、翌35年にアメリカ遠征で東京巨人軍となります。
谷津球場は55年ごろに取り壊され、谷津遊園そのものも消えて、今はバラ園になっていますが、『読売巨人軍発祥の地』の横長の石碑が今にキャンプ発祥の地を伝えています。