キャンプが終わると、いよいよオープン戦が始まります。
ところで、この「オープン戦」という言葉、英語には見当たりません。
日本でいうオープン戦は、アメリカでは「エキジビション・ゲーム」で、チームの成績に加えない非公式戦のことをいいます。
「ナイト・ゲーム」を「ナイター」といったのと同じく、「オープン戦」も日本製の野球英語であるようです。
おそらく新聞記者がペナントレース開幕(オープン)を間近にひかえた準備試合、という意味で創り出したのでしょう。
では、いつごろから使われ始めたのか。
古い新聞をさかのぼっていくと、昭和17年(1942年)春に「前哨戦」という言葉が使われている。
どうやら「オープン戦」は、戦後(昭和20年)以降に作られたようなのです。
戦後のプロ野球の復活は昭和20年(1945年)の11月23日、東西対抗戦からですから、キャンプやオープン戦が行われていたはずがありません。
となると、セ、パ両リーグが誕生した1950年(昭和25年)以降に、当時の流行の最先端のセンスを持っていた野球記者が「オープン戦」という言葉を作ってくれた、と推理できるのです。